はるみの「ちょっとひと言」

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はるみ知事エッセー[No.39]

「聖なる願い」

写真:岩見沢農業高等学校の生徒さんたちと(12月8日) 先日、岩見沢農業高等学校の生徒さんたちから、素敵な贈り物をいただきました。丹精込めて育てられたポインセチアの鉢植えです。

 毎年この季節になると、同校の生徒さんたちが、日頃の学習活動とその成果を道民の皆さんに広く紹介し理解を深めてもらおうと、道庁一階の道民コーナーで、ポインセチアやシクラメンなど園芸植物の展示会を行っているのです。

 赤と緑のポインセチアはクリスマスにぴったりの素敵なお花ですが、それ以上に「岩農」の生徒さんたちの明るい笑顔はとても素敵で、私を元気づけてくれる出会いになりました。

 出会いといえば、今年も多くの人々と出会うことができました。まちかど対話などでお会いした地域で頑張っている人々、太平洋島サミットでおもてなしした遠い島国の人々、ブラジル・パラグアイ訪問でお会いした日系移民の人々、数え上げたらキリがありませんが、今でも一人一人のお顔を思い出すことができます。

 印象的な出会いもありました。
 東村山市にあるハンセン病療養所「多摩全生園」を訪れたときのことです。この訪問は、ここに入所する北海道出身者の方々にお会いすることでした。長年の苦労を慰労し、様々な偏見や差別を受けられたであろう方々に、私として謝罪を行いたかったのです。

 その中のお一人に、多摩全生園の最高齢者で、この10月に百歳になられたAさんという方が、車いすで私を迎えてくださいました。お聞きしたところによると、Aさんは視力を失い、耳もほとんど聞こえないとのことでした。

 私は、Aさんの耳元で、持ち前の大きな声で、お世話されている周りの皆さんがびっくりするくらいの大きな声で、「北海道知事のタ・カ・ハ・シです」と声をかけると、うなずいて返事をされたのです。周りの皆さんはまたまたびっくり。普段は話しかけてもほとんど反応がないのにと、皆さん驚かれていました。それから出身地の話などをし、帰るときに「タカハシ帰ります」と言うと、うっすらと涙を浮かべてくださいました。

 今、Aさんは、明るいお部屋で穏やかな時を過ごされているとお聞きしましたが、多摩全生園の歴史と同じ100年の人生を思いやると、言葉では言い尽くせいない悲しみや苦難がおありになったものと胸にこみ上げるものがありました。
 この訪問で、ハンセン病を取り巻く様々な問題を風化させることなく、次代を担う者たちへ正しく語り継がれるよう、私自身全力を尽くしたいとあらためて意を強くしました。

 今年出会った多くの人々に感謝しながら、クリスマスカラーのポインセチアを眺め、その花言葉が「聖なる願い」であることを思い出しました。
 今年もあとわずか。
 新しい年が、すべての人々にとって素敵な年でありますように。

(平成21年12月14日)

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